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008 / 広告費率

EC広告費率の目安。ROASだけでなく粗利で見る

EC広告ではROASがよく使われますが、ROASだけでは「利益が残る広告か」は分かりません。広告費率、粗利率、CPA、CVR、AOVを同じ画面で見て、広告を増やしてよい商品か、先に商品ページを直すべきかを判断します。

  • 読了目安 8分
  • 対象: 小規模EC広告運用
  • 関連: ROAS・CPA・粗利

この記事の要点

  • EC広告費率は、売上に対して広告費をどれだけ使っているかを見る指標です。
  • ROASが高くても、商品粗利率が低いと広告後利益が残らないことがあります。
  • 広告費を増やす前に、広告後利益、許容広告費、CPA、CVR、AOVを確認します。
  • 広告改善は「広告を止める」だけでなく、商品ページ、客単価、クーポン設計の見直しも含みます。

EC広告費率とは

広告費率は、売上に対して広告費がどのくらいかかっているかを見る数字です。

広告費率 = 広告費 ÷ 売上 × 100

たとえば広告費50,000円で広告経由売上が250,000円なら、広告費率は20%です。ROASで見ると500%です。数字だけ見ると悪くないように見えますが、商品粗利率が20%なら、粗利50,000円に対して広告費50,000円なので、広告後の利益はほぼ残りません。

つまり、広告費率は売上だけでなく粗利とセットで見る必要があります。売上が増えていても、粗利の大半を広告費で使っているなら、広告を拡大するほど運営は苦しくなります。

ROASだけでは足りない理由

ROASは「広告費に対して売上が何倍になったか」を見る指標です。広告管理画面で見やすく、施策比較にも便利です。ただし、ROASは原価、送料、手数料、クーポン、ポイント負担を見ていません。

商品売上粗利率広告費広告後利益
A商品100,000円50%20,000円30,000円
B商品100,000円20%20,000円0円

同じ売上、同じ広告費でも、粗利率が違えば広告後利益は大きく変わります。ROASが同じでも、A商品は広告を続ける余地があり、B商品は利益が残っていません。

ROASは広告効率を見る数字、広告後利益は店舗に残るお金を見る数字です。広告を増やす判断では、両方を並べて確認します。

広告費率を見る順番

  1. 広告経由売上を確認する: 広告管理画面の売上と、実際の受注金額が大きくずれていないか見ます。
  2. 対象商品の粗利率を確認する: 商品別に粗利率が違う場合は、広告対象の商品ごとに分けます。
  3. 広告費率を出す: 広告費 ÷ 売上で、売上に対してどれくらい広告費を使っているか見ます。
  4. 広告後利益を見る: 粗利額から広告費を引き、利益が残るか確認します。
  5. 改善指標を分ける: CPAが高いのか、CVRが低いのか、AOVが低いのかを切り分けます。

ここまで見ると、「広告費を下げる」以外の選択肢も見えてきます。商品ページの改善でCVRを上げる、セット販売でAOVを上げる、利益率の低い商品を広告対象から外す、などです。

具体例: 広告費率20%は高いのか

広告費率20%が高いか低いかは、粗利率で変わります。粗利率50%の商品なら、広告費率20%でも30%分の粗利余力が残ります。粗利率25%の商品なら、広告費率20%の時点で残りは5%です。そこから送料、ポイント、返品対応があるとかなり厳しくなります。

粗利率広告費率20%後判断の目安
50%約30%残る拡大余地あり。CPAと在庫を見ながら調整。
35%約15%残る送料やクーポンを重ねる前に確認。
25%約5%残る広告対象や入札を慎重に見る。
15%赤字になりやすい認知目的や在庫処分でない限り見直し候補。

この表は一般的な目安ではなく、判断の考え方です。実際には送料、手数料、ポイント、返品率、リピート率で変わります。

広告改善チェックリスト

  • 広告経由売上と広告費を同じ期間で見た。
  • 広告対象商品の粗利率を確認した。
  • ROASだけでなく広告後利益を見た。
  • クーポン、ポイント、送料無料を広告費とは別に足した。
  • CPAが高い場合、CVRとAOVのどちらを改善するか決めた。
  • 利益率の低い商品を広告対象から外すか検討した。
  • 広告費を増やす前に、在庫と発送体制を確認した。

CPA、CVR、AOVをどう見るか

広告費率が高いときは、広告費を下げるだけでなく、どこが詰まっているかを分けて見ます。

  • CPAが高い: 1件の注文を取るための広告費が高い状態です。入札、ターゲティング、商品ページ、価格のどこかに改善余地があります。
  • CVRが低い: アクセスはあるのに購入されていません。商品ページ、価格、送料、レビュー、在庫状態を見ます。
  • AOVが低い: 1注文あたりの売上が小さい状態です。セット販売、まとめ買い、送料無料ラインを検討します。
  • ROASは良いのに利益が薄い: 粗利率、クーポン、ポイント、送料を確認します。

小規模ECでは、広告画面だけを見て改善しようとすると限界があります。広告、商品ページ、価格、在庫を同じ流れで見るほうが、次の打ち手を決めやすくなります。

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FAQ

EC広告費率の目安は何%ですか?

商品粗利率によって変わります。粗利率が高い商品ほど広告費を使える余地があり、粗利率が低い商品ほど広告費率を抑える必要があります。まず広告後利益が残るかを確認してください。

ROASが高ければ広告は成功ですか?

売上効率としては良く見えますが、利益が残っているとは限りません。原価、手数料、送料、ポイント、クーポンを引いたあとに利益が残るかを見ます。

広告費率が高いときは広告を止めるべきですか?

すぐに止める前に、CPA、CVR、AOV、商品粗利率を分けて確認します。商品ページ改善や客単価改善で広告費率が下がることもあります。

新規顧客向け広告は赤字でもよいですか?

リピート購入が見込める商品では、初回赤字を許容する考え方もあります。ただし、リピート率や2回目以降の粗利を見ずに赤字広告を続けるのは危険です。