結論と対象読者

DotLCD Cameraでは、CRTに見られる走査線、発光のにじみ、サブピクセルマスク、画面湾曲を中心にせず、LCDの均一セル、少ない階調、色付きパネル、応答遅れ、固定欠陥を中心に設計します。

この記事は、レトロ画面表現を作る際に、CRTフィルターとドットLCD表現の違いを整理したい人向けです。

30秒要約

  • CRTとLCDは表示原理も典型的な見え方も異なります。
  • CRT風の走査線を足すだけではLCDらしくなりません。
  • DotLCDでは、均一なセル、明確な格子、少ない階調、遅い応答を重視します。
  • ブルーム、RGBずれ、強い湾曲は基本効果にしません。
  • 経年劣化は、色褪せ、ドット欠け、行欠け、局所ムラとして分離します。

概要と背景

レトロ映像フィルターでは、走査線、画面の丸み、ノイズ、発光、RGBサブピクセルなどが一括して使われることがあります。しかし、これらは主にCRTを連想させる要素です。

DotLCD Cameraが目指すのは、低解像度の液晶セルが均一に並び、4段階の色で像を作り、明暗変化へ少し遅れて追従する表現です。

CRT風の効果を混ぜすぎると、ドットは見えていても表示方式の印象が別物になります。

特徴・できること

LCD固有の層を分けられる

  • 論理解像度
  • 4階調
  • 4色パレット
  • セル間隔
  • パネル全体の色
  • 応答遅れ
  • 固定欠陥
  • 行・列欠陥

CRT効果を任意の別モードにできる

実験としてCRT風効果を提供する場合も、LCD基本表現とは別モードにします。ユーザーが何を有効にしたか分かるようにします。

経年変化を物理位置へ固定できる

LCDの故障表現では、欠陥セルや欠落ラインを論理座標へ固定し、毎フレーム移動するノイズと区別します。

現在の位置付けと利用上の前提

Canvas APIやWebGLは描画手段を提供しますが、CRTまたはLCDの物理モデルを提供するものではありません。どの効果をどの表示方式へ分類するかは、DotLCD側の表現設計です。

本物のLCDにも方式、年代、温度、視野角、バックライトなどによる違いがあります。DotLCDは一般化した表現モデルであり、特定パネルの測定結果を完全再現するものではありません。

近い対象との比較

要素CRT風DotLCDのLCD風
画素形状発光点・サブピクセルマスク均一な矩形セル
走査線主要要素になりやすい基本的には使わない
にじみ発光ブルーム控えめ
画面形状湾曲表現平面または軽いパネル歪み
残像蛍光体や映像ブラー風セル応答遅れ
故障ノイズ・同期乱れドット欠け・ライン欠け

確認/試行の条件と注意点

  1. 走査線、湾曲、ブルームをすべて無効にします。
  2. 低解像度、4階調、均一セルだけでLCDらしさを確認します。
  3. 残像を方向ブラーではなくセル状態の遅れとして確認します。
  4. 欠陥を固定座標へ置き、ランダムノイズと比較します。
  5. CRTモードを追加する場合、LCDプリセットと名称・設定を分けます。
  6. 説明文で実機再現ではなく表現モデルであることを示します。

参考リンク

  • MDN: Canvas API
  • https://developer.mozilla.org/en-US/docs/Web/API/Canvas_API
  • MDN: WebGL API
  • https://developer.mozilla.org/en-US/docs/Web/API/WebGL_API